アルファベットの発音から始めて正確な英語の発音を身につける方法

英語はアルファベット26文字から出来てます。

なので正しい英語の発音は、アルファベットひとつひとつの音の出し方から学ぶと身につきやすいです。

中学・高校では発音をきちんと学ぶことがないので、このことになかなか気づきにくいのですが。

この記事では、正確な発音を身につける方法について基本から説明します。

目次

正しい発音は知識と訓練で身につく

私たち日本人は、学校で読み書き中心の教育を受けています。

ここで学校批判をするつもりはないですが、発音に関してきめ細やかな指導を受けたという人はいないのではないでしょうか。

正確な発音を身につけるには、ネイティブの音の出し方を知識として知り、同じ音が出せるように口に出してトレーニングする必要があります。

有名な話ですが、日本語読みにすると同じ「ライス」でも、”rice” を “lice” と発音すると、rice(ごはん)が、lice(シラミ)になってしまいます。

r(アール)の「ラ」と、l(エル)の「ラ」を上手く出し分けできないと、このようなことが起こります。

日本語の「ラ」は、どちらかというとl(エル)の「ラ」に近いため、「ライス」が “lice” となり、「シラミ」になってしまうわけです。※rとlの発音の仕方が気になる方は⇒ riceとliceの違い(Youtube動画)

ほかにも日本語では使わない音の出し方が英語にはたくさんあります。

  • “th” は上の前歯に後ろから軽く舌をあてて、歯の隙間から息をふき「スー」っという音を立てる
  • “v”は上の前歯を下唇に軽くあてて、息を吐きながら「ヴー」と声を出す。

それっぽく発音することで英語の音を真似することもできますが、

日本語の音をつかって英語の音を疑似的に再現しているにすぎないので、聞き取りにくく誤解を招きやすい発音の域を出ることはありません。

正確な発音を身につけたいなら、きちんと勉強して発音練習を行うのがお勧めです。

正確な発音を身につける方法

正確な発音を身につけるための学習といっても、やっておくべきことはそこまで多くありません。

英語を聞いたり読んだりするのに必要となる発音の原則や基本ルールをひと通り理解し、何度か発音をして口の動きや音を確かめてみるという経験をしておけば大丈夫です。

一度発音について学習しておけば、学習を進める過程で勝手にアンテナが立つので、発音に気をつけたり何度も口に出してみたりするように自然になります。

発音のルールには例外もたくさんあるので、最初から全て学ぼうとするのは現実的ではありません。

例外や後でも出来る事は学習の過程で解消することにし、やっておかないと後で困ることに絞って最低限の学習をするのが重要なポイントです。

それでは具体的な学習の仕方について説明していきます。

1. アルファベットの発音

まず最初に学ぶのがアルファベットの発音です。

初めにふれたように、英語はアルファベット26文字が組み合わさって出来ているので、アルファベットの発音を学ばず先に進んでも、正しい発音は身に付きません。

学校では「エー、ビー、シー」と習ったと思いますが、アルファベットを敢えてカタカナ表記にすると「エィ、ビィ、スィー」の方が英語の発音に近くなります

↓実際に聞いてみましょう↓

アルファベットの発音

口の開き具合いや舌の使い方、息の吐き方などが日本語と異なるため、このような違いがでます。

特に注意したいのが、m と n 、bとv、gとzなどの、紛らわしい発音。

しっかり練習して違う音が出せるようにしましょう。

ここをしっかり学習しておけば、英語特有の音の出し方に口や耳を慣れさせることができます。

アルファベットのパングラム

次の文章をみてください。

The quick brown fox jumps over the lazy dog.(俊敏な茶色のきつねが怠惰な犬を飛び越える)

これは、アルファベット26文字が全て使われている英文です。

※こういった言葉遊びをパングラム(pangram)といいます。

試しに “a” から順番に全てのアルファベットを探してみてください。

The quick brown fox jumps over the lazy dog.

英語がアルファベット26文字で成り立っていることを実感できたのではないでしょうか。

アルファベット読みの限界

さきほどの文章をもう一度みてください。

The quick brown fox jumps over the lazy dog.

これを読むとこうなります。

ザ クイック ブラウン フォックス ジャンプス オウヴァ ザ レイズィ ドッグ

この文章「エィ、ビィ、スィー」などのアルファベット読みを知っていても発音できないですよね。

きちんとアルファベット読みも使われていますが、ごく一部です。

” The quick brown fox jumps over the lazy dog.”

この o(オゥ) と a(エィ) の2文字は、アルファベット読みになります。

つまりアルファベット読みは必要なものですが、それだけでは十分ではないということ。

英語を読めるようになるには、アルファベット読みとは別に、フォニックスという知識が必要になります。

2. フォニックスとは

日本語に音読みと訓読みがあるように、アルファベットにも2つの読み方があります。

  1. アルファベット読み
    =名前読み
  2. フォニックス読み
    =音読み(おとよみ)

例えば、A, B, C, Dをアルファベットの名前で読むと「エィ、ビィ、スィー、ディー」になりますが、フォニックス、つまり音で読むと「ア、ブッ、クッ、ドゥッ」となります。

このことから、フォニックス読みは『アブクドゥ読み』と呼ばれることもあります。

↓聞いてみましょう↓

フォニックス読み

アルファベット読みとは音の出し方が全く違うことが分かります。

fox が「エフ オー エックス」ではなく「フォックス」になる理由

ではフォニックスの知識をつかって、次の単語を実際に読んでみます。

” The quick brown fox jumps over the lazy dog.”

fox (きつね)は全て「フォニックス読み」をする単語です。

つまり、

  • f(エフ)
  • o(オゥ)
  • x(エックス)

ではなく、

  • f(フッ)
  • o(オ)
  • x(クス)

と音読みします。

※フォニックス読み “

※フォニックス読み “

※フォニックス読み “

引用(上記3動画): freeacademyjp

この3つの音を続けて読んでみてください。

  • f(フッ)
  • o(オ)
  • x(クス)

⇒「フォックス」

これでfoxを「フォックス」と読めました。

このフォニックスの知識をもっていれば、「何故その単語がその発音になるのか」が分かるようになります。

フォニックスの正確な音を出せれば、その音を組み合わせて単語を正しい発音で読めるようになります。

↓こんなふうに↓

フォニックスと単語

英語の大半はフォニックス読みになるので、単語を読むときはまずフォニックス読みを当てはめます。

そして読めない部分にアルファベット読みを試してみると上手くいくことが多いと思います。

フォニックスの組み合わせルール

フォニックス読みは、実はアルファベット26文字それぞれ以外にもあります。

例えば、例文の “brown” という単語。

” The quick brown fox jumps over the lazy dog.”

これまでみてきた音読みの仕方を当てはめて読むと、「ブロウン」になりますが、正しい発音は、『茶色い』という意味の「ブラウン」

これはoとwがくっついて “ow“となったことで、「アウ」という別の読み方に変わるためです。

つまり、アルファベットが組み合わされることで、新しい音になります。

このようにフォニックスは組み合わせによる音も存在しますが、

英語の発音を学ぶうえでは使うことが多い基本パターンを理解しておけば大丈夫です。

基本をおさえたうえで学習の過程で新しいルールや例外を学んでいくようにすれば、正しい発音を効率的に身につけることができます。

時間をとって英語の発音トレーニングを1回やっておこう

フォニックスルールを身につければ「英語の約75%が読めるようになる」と言われているので、ここをしっかり学べばこの先の英会話学習がとても楽になります。

お勧めは一度しっかり時間をとって発音トレーニングをやること。

この記事で話した内容も含めて正しい知識をもっておき、それを踏まえて訓練をすると見違えるように発音がよくなります。

フォニックスのまとめ

フォニックスのまとめとして、次の動画を観てみましょう。

“The quick brown fox jumps over the lazy dog.”の歌を通じて、アルファベット、フォニックス、発音の関係がよくわかると思います。

※歌が始まるのは、4:35から

The quick brown fox jumps over the lazy dog

動画の中で、肩を組んでいるブロックたちがいますね。そこが、アルファベットがつながることで音が変わっているところです。

おすすめのフォニックス教材

発音教材に比べるとフォニックス教材の数はそこまで多くありません。

イギリスやアメリカなどではフォニックスは初等教育に位置付けられていますが、日本ではまだ広く認知されていないのが現状のようです。

私が実際に活用したお勧めの2冊を紹介します。

フォニックスってなんですか?


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  • 子供をもつ親向けに書かれている本。そのため、解説がシンプルで分かりやすくイラストも豊富。
  • 載っているフォニックスルールも頻出のものからグループ分けしてまとめてあるので、とっつきやすく、フォニックス初心者におすすめ。
  • エクササイズも必要最低限の量にしてあり、その気になれば10日ほどで終わらせることができる。
【こんな人におすすめ】短期集中でざっと内容をおさえ、あとは学習の過程で、必要に応じて発音トレーニングを行いたいという人。

フォニックスできれいな英語の発音がおもしろいほど身につく本


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  • フォニックスについて学べるだけでなく、メトロノームの音に合わせて発音トレーニングができるようになっている。
  • 単語だけでなく文章を読む練習ができ、単語がつながることで発音が変化する「リエゾン」の発音トレーニングもできる。

【こんな人におすすめ】徹底的に発音をトレーニングし、自信をつけたいという人。英語を読む流暢さを鍛えることができる。

フォニックス教材の活用の仕方(おすすめ)

フォニックスを始めて勉強するという人には1冊目の本がお勧め。

フォニックスの全体像をおさえたうえでポイントをおさえて発音の練習ができます。

とてもよく出来ている教材なので、この1冊だけでも発音がかなり良くなると思います。

その後、物足りなさを感じたり繰り返し発音トレーニングを行う必要性を感じたら2冊目を手に取ってみてください。

文章を読む練習ができるので、言いよどみや滑舌の悪さが改善し、英語の発音に自信をもてるようになると思います。

フォニックスを一度やっておくと、普段の勉強や英会話でネイティブの発音を意識することが多くなります。

今後の学習効率が高まるので、やっておいて損はないと思います。

ぜひ取り組んでみてください。

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