オンライン英会話をすごくシンプルに説明するなら「インターネットのビデオ通話で英語のレッスンを受けられるサービス」ということになります。
この記事では、分かりにくいオンライン英会話の仕組みや特徴を、なるべく初心者でも理解しやすいように解説していきたいと思います。
格安で英会話レッスンが受けられる画期的なサービス
今でこそ、ネイティブや日本人の先生からレッスンを受けられるのが当たり前になってますが、
オンライン英会話が登場して間もない頃は、フィリピン人の先生からレッスンを受けるサービスが主流でした。
今から15年以上も前の話になりますが、そんなことを友達が言ってた記憶があります。
フィリピン人の先生は、日本にくらべて人件費がかなり安いので破格のレッスン料金が実現していました。
また、インターネットを活用することで、フィリピン現地のオフィスから直接レッスンを提供できるのも料金が安くなる理由のひとつです。
英会話教室の場合は通うことが前提になっているので地代が高い日本の駅前にオフィスを構えていますが、
オンライン英会話の場合はどこにオフィスがあってもいいので、地代を安く抑えることができます。
さらに在宅でレッスンを提供してもらえればオフィスすらいりませんので、運営コストを大きく削減できます。
当時は安かろう悪かろうに見えたオンライン英会話サービス
でも正直言って、当時はそこまで魅力を感じませんでした。
むしろ、100円やそこらでレッスンが受けられることに、私は抵抗感を感じましたし、
一応ホームページは見ましたが、低価格を前面に押し出しているわりに情報があまり充実していなかったので、うさん臭く感じたのを覚えています。
1年後ぐらいに英会話教室に通い出しましたが、オンライン英会話は選択肢にものぼりませんでした。
なぜフィリピンの先生?
だいぶ後になってから知ったんですが、実はフィリピンは英語が公用語なんですよね。
フィリピン人講師の紹介
引用:レアジョブ英会話
一般的に英語を話せる人が多く、英語力の高さと賃金の安さから、外資系企業がコールセンターをフィリピンに置くぐらいなんだとか。
米国の統治下にあったという歴史的な背景から日本とおなじアメリカンイングリッシュを話すので、日本人が英語を教えてもらうには相性がいいそうです。
フィリピンでは第二外国語として小学校から英語を学ぶので、日本人と同じように学ぶ人の気持ちが分かり、教えるのも上手いとのこと。
このへんはオンライン英会話サービスの受け売りになりますが。
実際には、講師によって当たりはずれがあったりします。
まぁそれはネイティブでも日本人でも同じですけど。
あと人によっては訛りがきついと感じることもありますが、レッスンを受けていて英語力が低いと感じたことは一度もないですし、フィリピンの先生は総じて明るく丁寧に教えてくれるという印象です。
フィリピーノホスピタリティという言葉もあるようです。
オンライン英会話は安くて便利なサービスに
今も本質的な仕組みは当時と変わりません。
インターネットを活用してコストを大幅に削減できる分だけ、英会話レッスンの料金が英会話教室にくらべてかなり安くなっています。
フィリピン人講師(今は1レッスン200~400円ほど)だけでなく、ネイティブや日本人の講師からも1レッスン1,000円~1,500円といった料金でレッスンを受けられるようになりました。
これは、サービス事業者が増えたことで価格競争が激しくなったことや、ビデオ通話の質が向上したことで講師の在宅勤務が進んだこと、講師への支払いが成果報酬になったことなどが主な要因です。
さらに、WEBシステムが使いやすくなり、いつでもどこでも手軽に受けられる仕組みが整えられました。
一般的な認知が高まってユーザーの数も増え、カリキュラムや教材、レッスンの質や種類も充実したことで、かなり使い勝手が良くなっています。
昔を知らない人は、オンライン英会話と聞いても「安かろう悪かろう」の印象をもつことはないと思います。
リアルな対面レッスンと何がどう違うの?
オンライン英会話と英会話教室でのリアルな対面レッスンの違いは、大きく3つの観点で整理できます。
- 英会話教室でしかできないこと
- オンライン英会話でしかできないこと
- どちらでもできるけど方法が違うこと
1. 英会話教室でしかできないこと
オンライン英会話は、言ってしまえば「ビデオ通話という制限がかかった状態で行う英会話レッスン」です。
それにより様々な制約があります。
まず英会話教室のような開放感や心地よさを味わうことができません。
英会話教室は、良いレッスン環境をつくるためにレッスンルームやスクール全体に色んな工夫をこらしています。
スクールに一歩足を踏み入れると、スタッフや先生が笑顔で声をかけてくれるし、壁にはイベントや英語の表現、季節感のある飾りなどが装飾されています。
レッスンが始まってからも、ホワイトボードや単語カード、教材などをつかって飽きのこないように配慮してもらえます。
場合によっては、身体を大きく動かすこともあるでしょう。
それらのおかげで1回1回のレッスンがとても充実したものになります。
一方オンライン英会話の場合は、パソコン画面をじっと眺めた状態でレッスンが進んでいきます。
教材は画面にうつしだされるので直接何かを書き込むことはなく、基本的にずっと同じ姿勢であまり動くことがありません。
画面の向こうに先生がいるので、レッスンの臨場感を感じるには限界がありますし、音声はパソコンを通してのやりとりになるので、テンポよく会話を進めるのが難しいこともあります。
英会話教室のようなレッスン環境を自分でつくるのは難しいので、頭を英語モードに切り替えたり英語を学ぶモチベーションを高めたりするのを意識的に行うことも求められます。
基本的に自宅でレッスンを受けることになるので、オンとオフの切り替えが難しいときもあります。
2. オンライン英会話でしかできないこと
もちろん、オンライン英会話にしかできないこともあります。
まず大きな違いは、レッスンを受ける場所を自由に選べること。
仕事や家事で忙しくても、英会話教室に通うことなく隙間時間をつかって自宅でレッスンができます。
お気に入りのカフェでコーヒーを飲みながらレッスンを受けることもできるし、スマホを使えば歩きながらレッスンを受けることも可能です。
実際に私は、通勤途中に駅まで歩きながらフリートークを楽しんだり、夜散歩をしながらスピーキングの練習をしたりしています。>>関連記事:英会話スピーキングの練習を、イヤホン通話で散歩をしながら行う方法
観光案内の練習をしたいときに、商店街や川べりを歩いてスマホで風景を見せながら説明する練習をしたこともあります。
こういう自由なレッスンは、英会話教室に行く必要がないからこそ出来ることです。
レッスン内容のバリエーションが豊富なのも魅力のひとつ。
英会話教室では、基本的に3種類のコースしかありません。
- ビジネス英会話
- 日常会話
- TOEICなどの資格取得
コースをつくるには対応できる講師を雇って教育し、クラスのための教材やカリキュラム、場所を用意しないといけないからです。
教室や雇える講師には限りがあるので大多数の人にうけるコースしか準備できません。
一方オンライン英会話には、文学作品、海外ドラマや映画、面接対策、日記添削、プレゼンテーションや会議ファシリテーションなど、さまざまな種類のレッスンが用意されています。
これは、その手軽さや安さ、インターネットのもつアクセスの良さから、不特定多数の人がユーザーになることが関係しています。
たくさんの人に利用してもらってこそ価値が上がるものでもあるので、多様なニーズに応える教材やカリキュラムが用意されているのだと思います。
講師は世界各国に在籍し、オフィスがない分多くの人を雇えるのでこういったサービスが実現しています。
業界最大手のDMM英会話は、私が知る限りレッスンのバリエーションが一番豊富なので、興味がある人は試しに覗いてみてください。
3. どちらでもできるけど方法が違うこと
最後に、英会話教室でもオンライン英会話でも、どちらでもできるけど方法が違うことについて紹介します。
まず面と向かった状態で行うという点については、どちらも大差はありません。
マンツーマンレッスンの場合になりますが、英会話教室でもオンライン英会話でも、講師と生徒は向かい合って座ります。
なので、英会話教室のレッスンで行っている大半のことが、オンライン英会話でも実現します。
ただ、オンライン英会話の場合はパソコンを通してレッスンが行われるので、以下の点が英会話教室と異なります。
- 講師の様子は画面越しに見る
- 講師の声はパソコンから聞こえる
- 教材は画面上に映し出される
- 文字のやり取りはチャットで行う
ちなみに、独自のレッスンシステムを導入しているところだと、画面上のテキストに直接文字やイラストを書き込んでくれる場合もあります。
オンラインレッスンの雰囲気
引用:ECCオンラインレッスン
音声や画質は、昔にくらべるとかなり良くなったと思います。
通信回線の速度が遅いと途中で声が途切れることがありますが、いま普及している一般的なネットワーク環境なら、まず問題ありません。
パソコンが苦手な人だと、チャットをつかうのがちょっと抵抗があるかもしれませんね。
でもこちらから文字を打つことはほとんどないですし、向こうが送ってくるものを読むのが大半なので安心してください。
講師がホワイトボードの代わりに使うイメージです。
ビデオ通話レッスンについては、何回か使えばすぐに慣れると思います。
まとめ
オンライン英会話は、インターネットの仕組みをつかうことで、英会話教室に通わずに英会話レッスンを受けられることを実現したサービスです。
この仕組みのおかげで、英会話教室に30万円といったまとまったお金を払わなくても、手軽に英会話レッスンを受けられるようになりました。
※英会話教室の場合はマンツーマンレッスンで、通常30万円以上かかります(1年契約、前払い)。
また、忙しくて英会話教室に通えなかった人や途中で通えなくなった人、レッスン内容が自分に合わなかった人の受け皿にもなっています。
この記事で紹介した通り、ビデオ通話による制約はいろいろとありますが、私はオンライン英会話の使い勝手のよさにハマって8年以上続けているので、
友達に聞かれたときは、英会話教室よりもオンライン英会話のほうを猛烈に勧めています。
まだまだ紹介したいメリットやお勧めポイントがたくさんあるのですが、ここでは伝えきれないので、次回以降にまわしたいと思います。
オンライン英会話と通学の違い